ほしいもだけじゃない!冬の「さつまいも欲」
ひたちなか市の誕生30周年事業である「推しのまち巡りプロジェクト」。
今回はそこで生まれた4つのまち巡りプランのひとつ、「ほしいもだけじゃない!冬の『さつまいも欲』」と題した、那珂湊エリアの「さつまいも」に関するスポットを巡るツアーです。
ひたちなか市は日本の干し芋生産量の大多数を占めている、日本屈指の産地です。原料となるさつまいもに適した水はけのいい砂地、肥沃な黒ぼく土、ミネラルを含んだ潮風や冬季の長い晴天がおいしさの秘訣となっています。
しかし、視点や切り口を変えてみると、ほしいもに限らず、さつまいもの魅力や楽しみ方はもっとたくさんあるはずです!
そんなひたちなか市那珂湊周辺のさつまいもにまつわる「萌えポイント」やあまり知られていない自分だけの「マル秘な推しポイント」を、参加者自身がガイド役になって再発見する、みんなが主役のツアー内容をご紹介します。
さつまいもを知り、たくさん味わえるツアー
コース内容は、那珂湊地区の干し芋に纏わる神社やお店を巡り、さつまいも愛や地元愛に触れながら、老舗店や新店舗のさつまいもスイーツをとにかく食べまくる!という、お腹も満たされる内容です。
ポイント
①ほしいも神社でさつまいも欲を高めながら、おもしろスポットを体験!
②ひたちなか市のさつまいもスイーツ店を巡り、さつまいも欲を満たす!
③王道の干し芋から珍しいおいもスイーツまで、さつまいもの可能性が広がる!
ほしいも神社
最初に訪れたのは、黄金の鳥居が立ち並ぶ「ほしいも神社」です。
令和元年に創建されたこの神社は、参拝すれば「ホシイモノ(欲しいもの)は総て手に入る」として、地元ではとても有名です。テレビやメディアでもたくさん紹介されているので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
休憩所には、今までの取材の記録がずらり。その多さに驚く参加者たち。
ご案内してくださった君島さんのお話によると、荘厳と連なる鳥居はアートディレクターの佐藤卓氏によるコンセプト設計の下に作られたそうです。
鳥居の屋根にあたる「笠木」の部分は緑色で、中央には赤色、そして全体は黄金色になっています。
これは、それぞれさつまいもの葉(緑)太陽(赤)紅はるか(黄金)をモチーフにされているそうです。
また、土台の部分はさつまいもの形になっていて、凝ったデザインに干し芋への愛を深く感じました。
さらに宮司の宮本さん所有の黄金色のバイクはフォトスポットとなっており、
座るとなんだか御利益がありそうですね。
海が見える絶景ポイントもあり…♡
運が良ければマスコットキャラクターの”ほしいも仙人”にも出会えるかも!?
ほしいも神社の隣には堀出神社が建てられていて、創建は西暦1663年で300年以上の歴史があり、「掘って出た」ことにより堀出神社と命名されたそうです。
境内は厳かな雰囲気で、それもそのはず恐れ多くも先の副将軍、徳川光圀公由来の神社となっております。
ほしいも神社と堀出神社の社務所には、干し芋をモチーフにした御守りや黄金の絵馬もありました。
かわいい御守りが揃っています。
ペット同伴での参拝も可能だそうで、犬や猫のペットの御守りもありましたよ。
休憩所にはこれまた黄金色のほしいも自販機が。
隣接するカフェ”kuil”。
地元サザコーヒーやスイートポテトも楽しめます。
他にも神社の見どころなどをたくさん教えてくれた君島さん。
宮司さんの干し芋愛が詰まった、とにかく見どころ満載の「ほしいも神社」でした。
ほしいも村飛田勝治農園
次に訪れた先は「ほしいも村 飛田勝治農園」です。
明治時代後期に、現在のひたちなか市のエリアで生産が始められたといわれる干し芋ですが、次第に全国へ誇る特産品へと発展していきました。
2021年には、世代を超えて受け継がれた食文化をたたえる文化庁の「100年フード」に干し芋が認定されています。
飛田さんの干し芋は、昔ながらの天日干しで製造されています。
ゆっくりじっくり太陽の下で乾燥させるこの製法は、一枚一枚裏返したり、雨が降れば濡れないように移動したりと手間暇かけて作られています。
せっかく乾燥させた芋が水分を含んでしまうと、ワカメや昆布などの乾物と同じで元に戻ってしまうそうです!
干し芋の定番といえば、さつまいもをスライスして乾燥させた「平干し」で、約1週間お日様の下で乾燥させるそう。
今回特別に乾燥途中のほしいもの味見をさせていただきましたが、中はまだ蒸した芋の食感でした。
天候に左右される干し芋は、園主の飛田さん自身も実際に食べてみて出荷の判断をされるそうです。
蒸したさつまいもをスライスせずに丸々干した「丸干し」は少しリッチな干し芋で、平干しに比べ厚みがある分乾燥にかける期間が長く、約1ヶ月もかかるそうです。
奥様の裕子さんによる明るく楽しい解説に、干し芋トークで盛り上がる参加者の皆さん。
飛田さんの農園では8種類ほどの芋を栽培しており「たまゆたか」「べにはるか」「シルクスイート」「金星」「いずみ」「月明かり」「ニンジンイモ」「ムラサキイモ」などのバリエーションがありました。
美味しさのみならず見た目の美しさも兼ね備える干し芋が、毎年12月頃から翌年3月頃まで楽しめます。
園主の勝治さんが、この日の為にとご用意してくださった焼き芋。甘くてホクホク。
奥様の裕子さんが蒸した甘〜いふかし芋もいただきながら、干し芋の天ぷらやお味噌汁も美味しいのよ〜と教えてくださいました。早速我が家でも試してみたいです。
飛田さんご夫婦のこだわりと愛情が詰め込まれている干し芋は、天候に左右されるという事情から直売所のみの販売となっています。
お日様の香りがする「ほしいも村 飛田勝治農園」の干し芋、最高の味わいでした。
さつまいも専門店POTATO LABO
3つめの訪問先は「さつまいも専門店POTATO LABO」です。
こちらは2年前にオープンした、紅はるかのほしいもとスイーツのお店。
干し芋はもとより、四季折々のさつまいもスイーツを楽しめる、言わばさつまいもの聖地!
新感覚のお芋スイーツ目当てに、県内外からたくさんのお客さんが集まる人気店です。
東京・浅草に2号店もあり、浅草店限定の商品もあるのだとか。
店内にはたくさんのお芋スイーツが並びます。
私が選んだ「お芋のタルト」は、シナモン香るさつまいもがたっぷり入っていて、芋好きさんに大満足の一品。
「干し芋シェイク」は黒糖の甘みが干し芋と見事にマッチしていて、後から感じる干し芋の香りが楽しく、一気に飲み干してしまう美味しさでした。
こちらの「LABOプリン」は、芋クリームと芋プリンの二層になっており、上に乗っている自家製芋キャラメルが濃厚でこれまた美味。
「干し芋生キャラメル」と「ほしいもカヌレ」は、ひたちなか市観光協会の観光土産品として推奨されているお墨付き。お土産に芋チップも購入し、ペッパーソルト味は今夜のお酒のおつまみにもなりそうです♪
テラス席はワンちゃん連れも大歓迎!
ワンちゃん用の干し芋もあり、人もワンコも喜ぶ無添加の自然派おやつとなっていました。
スイーツ担当はるかさんの、感性光る力作商品ばかり!次回は焼き芋ブリュレを食べる!と心に決めました。
阪場製菓 菓子工房SAKABA
お腹もだいぶ満たされてきましたが、まだまだ”さつまいも欲”は止まりません!
次に訪れたお店は、可愛い看板が目を惹く「菓子工房SAKABA(阪場製菓)」。
こちらのお店は創業112年のカステラと洋菓子の老舗店。
レトロなデザインが、どこか懐かしさを感じさせます。
お店の外壁も黄色になっていて、遠くから見るとまるでカステラみたい。
生まれも育ちもひたちなかの私は、手焼きでしっとり美味しい那珂湊名物の”阪場のカステラ”は時折いただいておりましたが、お芋のカステラサンドは初めて!
“贅沢 お芋スイーツ みなと育ちのお芋あふれるカステラサンド”は、10月に開催されたご当地グルメの総選挙「シン・いばらきメシ総選挙2024」スイーツ部門でファイナリストに選出された逸品です。
奥様の奈津希さんの特別な思い入れがひしひしと伝わり、これは是非とも食べておかねばと欲望の塊の私(笑)。でもいいんです!今日は”お芋を楽しむ冬のさつまいも欲ツアー”ですものね。
鶏卵生産量日本一!の茨城県の中でも厳選した地元「横須賀鶏卵場」のたまごをたっぷり使ったカステラに、2種類のさつまいもクリーム。
オレンジ色のクリームは、砂糖を加えず紅はるかの甘さだけで作っているそうで、先ほど訪れた「飛田勝治農園」の干し芋を使っているんですって!
紫色のクリームには紫芋が、さらに生クリームの中には刻んだほしあかねが入っています。
干し芋を加工する際に出る、残渣と呼ばれるさつまいもの皮などの部分をアップサイクルして作られた、永井農芸センターによる「干し芋ピール」のパリパリフレークや香り高いパウダー、そして食感が楽しいキャラメリゼした干し芋まで贅沢にトッピング!
まさにひたちなか市を代表するお芋スイーツで、ここまで地元にこだわり、贅を尽くしたお芋のカステラサンド、お味の方は言わずもがな。
誠実な店主さんと、思いやりたっぷりの奥様の、ひたちなか愛が伝わる絶品スイーツとなっておりました。
焼き芋やっちゃん
最後に訪れたのは「焼き芋やっちゃん」です。
こちらの焼き芋は、鹿島灘の海風に当たりミネラルたっぷりに育った紅はるかを使い、土を大きく掘った蔵のようなところで3ヶ月以上月日を掛けてじっくりと熟成させてから焼くそうです。
店主さんの焼き方にもこだわりがあり、196℃まで火を通し、56℃で水分を飛ばして休ませ、それを繰り返し合計6時間かけて焼き上げるそう。
そんな極限まで芋の旨味を引き出した、こだわりの焼き芋は見事な黄金色!
お味はとっても濃厚で甘〜い!参加者の皆さんもこんなしっとりで濃厚な焼き芋食べた事ない!!と大絶賛。
ねっとりと美味しい生スイートポテトは芋・生クリーム・牛乳のみで作られており、カスタードプリンはカラメルソースに含まれる砂糖以外は芋・牛乳・卵のみ。芋本来の味でこんなに甘くなるなんて!匠の技ですね。
お土産用に購入した冷凍の焼き芋は、帰ってからのお楽しみ。
「焼き芋やっちゃん」は、海鮮料理店の「海の蔵」の正面、パステルのグリーンカラーが可愛いワゴン車”やっちゃん号”での販売です。次回はたまに出勤するという看板犬のシンくんに会えるかな。
参加者の声
今回のさつまいもツアーでは建造物・生産物に真摯に向き合う生産者さんの熱意や努力を間近で感じ、さつまいも愛・地元愛に加えてホスピタリティ溢れるお店の方々に大変感激いたしました。
また、お店の方から詳しくお話を伺ったり、細部まで見学させていただいたりと、ツアーならではの醍醐味があり、とても貴重な体験が出来ました。
そして当たり前のように地元のものを美味しく食べられること、ひたちなかの特産品が人を呼び込む観光資源となっていることに、地元民として大変嬉しく思いました。
最後に参加者の皆さんと地域の交流地点「みなとのおへそ」にて、お芋スイーツと共に今回のツアーについて語らいました。
「黄金の芋づくしでパワーがもらえた!」
「こんなにたくさんさつまいもの種類があるなんて知らなかった。今度は芋掘りも楽しんでみたい!」
「こだわりの新感覚さつまいもスイーツを楽しめた!」
「お腹いっぱい!さつまいも欲が充分に満たされたツアーだった!」との声。
改めて、ひたちなかのさつまいもの魅力を再発見するツアーとなりました。
皆さんも芋三昧ツアーで”さつまいも欲”を満たしてみませんか?
是非ともひたちなかの美味しいさつまいもを、楽しんで下さいね。
<ツアー投票は2025年1月19日(日)まで!>
「推しのまち巡りプロジェクト」は、ひたちなか市の誕生30周年記念事業です。
ひたちなか市民がまちの魅力を再発見し、任意で参加したまちを好きなメンバーが推しポイントや、あまり知られていない自分たちだけのマル秘ポイントを別視点から再発見し、市民が考える新たな魅力を伝える4つの「推しのまち巡り」プランを作りました。
みなさまの投票を経て、新たなまちの魅力を伝える「まち巡りマップ」として発表します。
(ライター:ひたちなか市 いいとこ発信隊 柴犬)